人でも打たれ強い人、打たれ弱い人という個人差はありますので、学習性無力感の実験結果がすべての人に等しくあてはまるわけではないでしょう。とは言え、ウツ気分のもとをたどってみれば、この学習性無力感こそがウツ状態をまねきやすくする根源となっていることがよくわかるのです。
気力も著しく低下します。元気なときには難なくこなしていたことが、気力をふり絞らないとできない状態になります。うつ病の人は、周囲から「やる気をなくした」と思われるのを気にして、無理に頑張ろうとします。そうなると気力も根気もなくて頑張り通せない自分を責めるようになり、ますます病状を悪化させるというパターンに陥ってしまうのです。生まれながらにしてウツ病にかかっているという人は、誰一人としていません。生まれてきた時はどんな人でも元気いっぱいです。しかし、ウツにかかってしまっている人は、どんな行動の楽しみも喜びも感じられない状態ですから、プラス思考ができず、いっこうにやる気がわいてきません。
ウツ病にかかる人は、ウツ状態を引き起こすきっかけとなるさまざまな経験をし、それに本来の気質がからんでそうなるわけです。
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