うつ病の原因として、遺伝は関係あるのでしょうか。
うつ病の原因について探ると、遺伝とうつ病との関係についての研究はたくさん行われております。今までの研究により、遺伝とうつ病とはまったくの無関係ではないということは明らかになっています。
うつ病患者の親、子、きょうだいでは、1.77~4.5倍うつ病の危険が高まるといいます。双生児研究でも、二卵性双生児での一致率に比べ、一卵性双生児では一致率がほぼ2倍になります。
しかしながら、うつ病のなりやすさのうち、遺伝要因によって説明できる部分は3割から4割で、双極性障害の7割に比べると少ないのです。
また、子供の時に養子に出された人を調査した研究報告もあります。それによると、育ての親がうつ病になった場合に養子がうつになる確率より、生みの親がうつ病になった場合に実の子もうつ病になる確率が高いということです。ただし、遺伝子だけがうつ病の原因だとすれば、一卵性双生児は一人がうつ病になればもう一人も必ず発症するはずですが、その確率は約40%という結果が出ています。このことから、必ずしも遺伝子だけがうつ病の原因ではないと言えそうです。
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